先日兵庫県福崎町の「妖怪ベンチ」めぐりをしてきました。
福崎町は民族学者・柳田國男の出身地で、近年、河童(かっぱ)をはじめとする妖怪をテーマにした町おこしも盛んです。
町内には、河童を始めとする怖ろしげな…いえいえ、一緒に記念撮影したくなるような妖怪がたくさんいます。
妖怪さんたちは観光に来てくれた方々との記念撮影をしたいのか、ベンチを用意して待ってくれていますよ(*^_^*)
2021年1月末現在、妖怪ベンチは19基あり、今回はそのうちの12基の写真を撮ってきましたので、ベンチ以外の妖怪さんたちとともに紹介したいと思います。
あ、その前に…、今回の写真はちょっと怖い妖怪の写真もあるかもしれません。
それぞれの写真をクリックすると一部を除き単体で大きく見れるようになっていますが、苦手な方はクリックせずこのまま進まれることをおすすめします。
まずは「辻川山公園」。
ここは池の中から河童が出てきたり、天狗が小屋から飛び出してきます。
小さい子どもたちの中には泣く子もいるかも……。
またここには「全国妖怪造形コンテスト」の一般部門において最優秀作品賞に輝いた作品を大型FRP像として設置されています。
(左)コンテスト作品名「天狗の森の妖翁」:鋭く光る碧い目で辻川山公園を見張っている「天狗」。
(中)コンテスト作品名「森に吹く風」:山に宿る神「山の神」。子河童が駆け寄ってきています。
(右)河童の河太郎(ガタロウ):福崎町出身の民俗学者・柳田國男が幼い頃を過ごした福崎町辻川での暮らしぶりなど、自身の人生を回顧して書いた著書『故郷七十年』に登場する、市川の駒ヶ岩の河童のガタロがモチーフになっています。
河童の兄弟の兄。お皿が乾き動けなくなり、池のほとりで固まっています。
手に持っているのは尻子玉。人間のお尻の穴から河童が抜き取る架空の臓器で、これを抜き取られた人間は腑抜けになるとか。
(左)コンテスト作品名「招き鵺」:顔はサル、胴体はタヌキ、手足はトラ、尾はヘビという「鵺(ぬえ)」。
(中)この「鵺」の口の中にはネズミがたくさん??
(右)コンテスト作品名「怪しい抜け道」:砂をバラバラと振りかけて人を脅かすという「砂かけ婆」が女子高生の背後に迫っています。
(左)コンテスト作品名「輪廻の輪」:深夜の山中で神楽の囃子をしているという「やまばやし」。
(中)河童の河次郎(ガジロウ):池がブクブクし始めると河童が出始めました。
(右)河童の河次郎(ガジロウ):9時~ 17時の毎時0分・15分・30分・45分に水中から飛び出てきます。(※6~9月は18時まで出てきます。)
カジロウさん、忙しいんですよ。
この池に出てきたあとは、大急ぎで「ひみつの地下トンネル」を通って福崎駅前の水槽の中から出てきて、皆さんを歓迎しなくてはならないんです。
↓辻川山公園の池で顔を見せたあとは「ひみつの地下トンネル」を泳いで福崎駅前にやってきて水槽から顔を出します。
ちょっと怖い……。
辻川山公園の紹介に戻ります。
↓妖怪小屋の逆さ天狗 地上3mの位置につくられた気味悪い小屋から、扉のきしむ音とともに逆さまになった天狗が飛び出してきます。
この天狗さん、バリバリの関西弁で「わしも写真撮りたい~」とか「髪の毛だんだん薄うなってきた~」とか言ってます( *´艸`)
手には大好物のもちむぎどら焼きを持っています。
もちむぎどら焼きは公園駐車場前にある「もちむぎのやかた」に売られていますよ。
妖怪さんたちを過ぎると、
(左)神崎郡歴史民俗資料館 (兵庫県指定有形文化財)
明治19年(1886)、神東・神西郡役所として建設されたものだそうです。
(中)神崎郡歴史民俗資料館 前のレトロポスト
(右)柳田國男生家(県指定重要民俗文化財)
家は間口5間、奥行き4間、土間、3畳間と4畳半の座敷、4畳半の納戸、3畳の台所といったいわゆる「田の字型」民家で日本民家の原初形態でとってもシンプルな家でした。
柳田國男氏は「私の家は日本一小さい家だ。この家の小ささという運命から、私の民俗学への志を発したといってよい」と言われたそうです。
(左上)妖怪ベンチ 油すまし
辻川観光交流センター駐車場にいます。
ん?油すましが壺から油を注いで、それが油すましの本体になって…?? じっくり考えると……どっちが先?
(右上下)妖怪ベンチ 座敷童子(もちむぎのやかた)
さっきの天狗さんが食べていた「もちむぎどら焼き」も売店に売ってます。
(左下)妖怪ベンチ 河童(辻川観光交流センター)
ベンチに座って将棋の手順を考えているのでしょうか。
一緒に座ってかっぱさんと将棋を指している記念写真を撮るのもいいですね(*^_^*)
(左)妖怪ベンチ 雪女(辻川観光交流センター)
雪女さん、なかなか妖艶です。
ベンチに座ると雪女さんが迫って来るような感じです。
ちょっかいをかけるとベンチの隣のオブジェのように氷漬けにされてしまうかも……。
氷漬けにされたい方は顔を出して記念写真を撮るのもヨシ!( *´艸`)
(右)銀の馬車道「馬車モニュメント」(辻川感交流センター)
銀の馬車道キャラクター「ハヤブ」に福崎町のキャラクターである「サキちゃん」が乗馬しています。
荷台には子河童が乗っています。
馬車の御者台に乗って写真を撮ることもできるようです。
ちなみに…「銀の馬車道」とは「かつて生野鉱山と飾磨津を結ぶ、日本で一番最初の「舗装」という概念をもって作られた道路」だそうです。
(左上)妖怪ベンチ 海ぼうず(ミートショップ松井)
辻川観光交流センターの道を挟んだ斜め前のお店にいます。
この海ぼうずさん、サーフィンが得意なのかしら?
(右上)妖怪ベンチ 猫また(グルメミートにしおか)
美味しいお肉でももらって喜んでいるみたい( *´艸`)
(左下)妖怪ベンチ アマビエ(福崎駅駅前交流広場)
去年(2021年)年末にお目見えした妖怪さんです。
妖怪ベンチの妖怪は柳田國男が書いた本の中に出てくる妖怪のようですが、このアマビエはそれらの中には出てこない妖怪だそうです。
コロナ退散の願いを込めて設置とのこと。
コロナが収束したらぜひ福崎町のアマビエさんにも会いに行ってあげてくださいね。
(右下)妖怪ベンチ 山姥(株式会社マルフク)
ガングロのヤマンバメイク、ルーズソックスという1990年代に流行った女子高生スタイルの妖怪さん。
インパクトありすぎです!
次は私の一番のお気に入り、天狗さんの妖怪ベンチです。
スーツを着てパソコンを触っている天狗さんが座っています。
なんか…かっこいいんです。(ちょっとスーツフェチなもんで……^^;)
パソコンで何を見てるのか気になりましたので、画面をこっそり覗いてきました。
将棋の手を勉強しているようです。
このあと、前述の辻川観光交流センターにいる河童さんと将棋の勝負でもあるのでしょうか。
ちなみに…PCの画面はときどき変わっているようです。
(左)妖怪ベンチ タタミタタキ(神戸医療福祉大学)
タタミタタキさんは神戸医療福祉大学に入ってすぐのところにいます。
(右上)妖怪ベンチ フクちゃんサキちゃん(神戸医療福祉大学)
いやいや…フクちゃんサキちゃんは妖怪とちゃうやろ……とツッコミ入れてしまいそうですが……。
先程のタタミタタキさんの少し先のバス停に座ってバスを待っています。
(右下)妖怪ベンチ 袖引き小僧(常盤堂製菓(株)直販店)
顔…怖いし……(T_T)
これもアマビエさんといっしょに登場した最新作(2022年1月現在)。
以下は辻川観光交流センター内にある「妖怪ギャラリー」の画像です。
妖怪ギャラリーには柳田國男の著書に出てくる妖怪物語のワンシーンや、妖怪ベンチの原型、これまでの全国妖怪造形コンテストの入賞作品が展示されています。